大丸心斎橋店本館

Before:大丸心斎橋店本館 → After:大丸心斎橋店本館

リノベーション前の外観/撮影:古川泰造 提供:竹中工務店

ネオ・ゴシックの外壁を保存し背部に高層棟を新築/撮影:古川泰造 2019年 提供:竹中工務店

アールデコ装飾の天井と、創建当時の写真に残るシャンデリアを復原・再利用した1階店舗 /撮影:古川泰造 2019年 提供:竹中工務店

保存外壁が自立できるように、コの字型に2スパン分の奥行きを残して内側の既存建物を解体/提供:竹中工務店

保存されたRC造の外壁と新築のS造の地震時の挙動を一致させるための保存構法の開発や、アールデコ様式の店舗空間の再現など、歴史的建築の継承の工夫がなされている。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称大丸心斎橋店本館大丸心斎橋店本館
Main Building of Daimaru Shinsaibashi Store
建築用途商業施設 百貨店 商業施設 百貨店
建築概要/
Renovation 概要

W.M.ヴォーリズの代表作であり、御堂筋の景観を形成していた商都大阪を象徴する重要な建築

<新建築2020年3月号より抜粋> 継承、創造、発信:創建当時の姿を留める外壁の保存再生、昭和初期の商業文化を今に伝える内装の再現、街の活性化に繋がる新しい価値の創造をテーマに取り組んだプロジェクトである。ネオ・ゴシック様式として歴史的価値の高い御堂筋側の外壁を原位置に保存し、その背後に新築部分を建設した。新たな高層部は保存外壁の一部である水晶塔を避けてセットバックし、御堂筋の都市景観の継承を行うと共に、高層部の外装デザインは保存外壁にみられる透かし彫りの幾何学パターンによる反復意匠をモチーフとして、保存外壁との調和を図った。内装では、旧本館1階を中心とした華やかなアール・デコ意匠の店舗空間を再現するため、意匠的価値の高いオリジナルの内装材を可能な限り採取・再利用した。残すべき意匠の継承と共に、新たに加える部分のバランスを大切にし、現代の百貨店が失いつつある非日常感を演出する「ハレの場」の継承を行った。

概要その他

設計者
基本設計:日建設計、実施設計:竹中工務店
所在地
大阪府大阪市中央区心斎橋1-7-1
Goole Map >>
改修年
2019
建築規模
地下SRC造(柱CFT造) / 地上S造(柱CFT造) 延床面積:66,367.87 m2
掲載書誌
新建築:2020年3月号、日経アーキテクチュア 2022.5、作品選集2021-2022
賞・選定
第62回(2021年度)BCS賞、第38回(2020年)日本照明賞、2019年度照明普及賞、2020年CFT構造賞、第65回大阪建築コンクール大阪府知事賞
URL
https://www.takenaka.co.jp/news/2020/04/01/index.html

リノベーションの手法・キーワード 等

壁面保存, 増築, 復元・復原

 

備考

<竹中工務店Websiteより抜粋> 既存建物の外壁保存構法の開発と適用:保存外壁は、旧本館の柱梁と一体化した鉄筋コンクリート造の壁に、1~2階が石、3~5階がタイル、6階が擬石で仕上げられており、しなやかな鉄骨造の新本館と一体化するには、地震時などの外力による変形追従性能を向上させる必要がある。開発した外壁保存構法は、保存外壁の背面に補強躯体を設けた上で、外観上目立たないように仕上げが切り替わる3階・6階レベルで保存外壁を水平切断し、切断部に免震装置(弾性すべり支承)を設けて新本館に接続させる機構である。これにより、地震時に保存外壁は、新本館の動きに合わせてスライドする機構としている。

 

 

記録作成者

氏名
桐原武志
所属
Free /JIA再生部会