蘇る先代からの住まい
Before:M邸 → After: 蘇る先代からの住まい
リノベーション概要
Before | After | |
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建築名称 | M邸 | 蘇る先代からの住まい A home from our ancestors revived |
建築用途 | 住居施設 住宅 | 住居施設 住宅 |
建築概要/ Renovation 概要 | 瓦が損壊、漆喰が剥がれ、外壁の海鼠壁は落ち、北側はシロアリ被害も見受けられ、床は下がり、現代工法の増築部分と境は雨漏れ。 | 立派に黒光りした太い柱や梁を拝見し、壊してしまうのはもったいないと、床下や小屋裏の調査に入り、修復可能とお伝えした時のご主人の安堵のお顔は忘れられません。周りがどんどん解体され、新築されていく中、余震も続き当初は修復するかどうか、ご親戚の皆さまも一緒に悩まれたことでした。末長く住み継いで頂くために、伝統構法の復元力特性をいかした耐震補強(制振ダンパーの採用や木製の格子壁)に加え、土壁の通気性を生かす杉の断熱材を用い快適性をアップ。通風採光のためのトップライトや内部のバリアフリー等、暮らしやすさの改修も合わせて行いました。床の間は、元気が出るようにと、ベンガラ入りの赤漆喰で修復し、畳の縁も赤色で統一。被災した際の恐怖の体験から、新たな気持ちで住み続けられるようカラーコーディネートも。地震で割れた欄間や建具も出来る限り修復し再利用することで、先祖代々からの住まいの息吹を継承しています。 |
概要その他
- 設計者
- MKデザインスタジオ一級建築士事務所/柿本美樹枝&一級建築士事務所やどり木/近藤富美
- 所在地
- 熊本県上益城郡甲佐町
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- 改修年
- 2018
- 建築規模
- 建築面積223.37㎡、延床面積241.11㎡、2階建て
リノベーションの手法・キーワード 等
減築, 補強
備考
被災建物の調査や修復手法の検討には、建物修復支援ネットワークのご支援、認定NPO日本民家再生協会の仲間の協力、熊本県立大学の北原研究室にもご助言を頂きました。建築士会ではダンパーメーカーと限界耐力計算の講習会を開催。復興は先人の知恵と経験者との情報共有がとても大事だと実感。修復の知恵の継承を次世代に繋げて行きたい所存です。
修復、再生、耐震補強、バリアフリー、断熱改修、自然素材
記録作成者
- 氏名
- 柿本美樹枝
- 所属
- MKデザインスタジオ一級建築士事務所