REDO JIMBOCHO

Before:武田ビル → After:REDO JIMBOCHO

外装がリシン吹付仕上げのリノベーション前の外観/提供:渡邉明弘建築設計事務所

北東角から見た外観/撮影:桐原武志 2023年

2階のコワーキングオフィス内観、六角形のテーブルは組み合わせて形状を変えることが出来る/撮影:桐原武志 2023年

外壁は既存の仕上げを撤去し躯体のクラックの補修程度に留めた「剥がし放し」/ 撮影:桐原武志 2023年

都心にある小規模ビルの1階をシェアレストラン、2階をコワーキングスペース、3~5階を外国人が半数入居するシェアハウスにリノベーション

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称武田ビルREDO JIMBOCHO
建築用途事務所 オフィス 住居施設, 事務所, 商業施設 店舗
建築概要/
Renovation 概要

神田神保町にある築49年の旧耐震基準の小規模ビル

<渡邉明弘>神田神保町にある築49年の建物を、耐震補強を専門とする「キーマン」が取得し、自ら補強の設計・施工を行うことで再生する新規事業のモデルケース。既存建物は狭小な偏心コアという、小規模な雑居ビルの典型的な形式を備えていた。耐震補強として柱間に壁やブレースを設置し開口を閉塞すれば機能性が損なわれ、劣化した設備を全て更新すればペンシル型ビル故に割高になる。また、エレベーターの新設やエントランスの拡張、低層階への吹き抜け設置などのリニューアルは、収支を悪化させ現実的でない。このように、再生とは相性の悪い既存躯体の形式(神保町はもちろん、全国にこのようなストックが存在する)に対して、その形式を維持するように、道路側の柱だけを増し打ち補強した。1階シェア型レストランのワンオペ営業も可能なコの字型カウンターや3,4階の放射型に間仕切られたシェアハウスの個室群など、この建物を再生したからこその、新築や修繕では得難い空間が出来上がった。外壁は既存の仕上げを撤去した上で躯体のクラックを補修するに留める「剥がし放し」とした。目の前を通る人びとには、これまで通りの外観のようで、どこか一新されたような、両儀的なものと映るだろう。こうして再生したREDO JIMBOCHOを通して、建て替えと修繕の狭間で揺れる神田神保町の古い建物を象徴するような角地から、再生という第3の選択肢が馴染み浸透していけばと思う。

概要その他

設計者
渡邉明弘建築設計事務所+オクムラデザイン、構造:キーマン、不動産コンサルタント:創造系不動産
所在地
東京都千代田区神田錦町1-37-1
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改修年
2023年
建築規模
RC造、地上5階、延床面積287.68㎡
掲載書誌
新建築 2023年8月号
資料・その他(PDF)
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URL
https://www.aki-watanabe.com/redojimbocho

リノベーションの手法・キーワード 等

用途変更, 痕跡, 壁面改変, 減築, 補強

 

 

 

記録作成者

氏名
桐原武志
所属
Free/JIA再生部会