クラシキ クラフト ワークビレッジ

Before:長屋 → After:クラシキ クラフト ワークビレッジ

通り土間を設ける前の外観/撮影・提供:楢村徹設計室

旧街道沿いの外観。1階中央の開口部が新たに設けられた通り土間/撮影:桐原武志 2023年

建物を貫通し新設された通り土間。両側に店舗、奥に明るい中庭が見える/撮影:桐原武志 2023年

通り土間の先にあるクラフトマンの店舗で囲まれた中庭/撮影:(有)建築写真室 提供:楢村徹写真室

関連タグ: ,

前面道路(旧街道)に面した建物だけでなく、裏の建物と空地にも人を引き込むため、建物を貫通した「通り土間」を新たに設けた。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称長屋クラシキ クラフト ワークビレッジ
Kurashiki Craft Work Village
建築用途住居施設 町家 商業施設 店舗
建築概要/
Renovation 概要

旧街道添いに建つ築約170年の町家。敷地の街道沿いには建物が建っているが、奥には空地が広がっていた。

国内外からの観光客で賑わう倉敷の美観地区。街道に面する建物は土産店や飲食店に改修され活用されているが、奥には活用されない建物や空地が残されている。いかに奥まで人を引き込むかの課題に対して、設計者の楢村氏の解答は、街道に面する建物を改修し、奥に続く「通り土間」を設けること。半外部の土間とその先の明るい中庭が人々を奥へと誘導している。
奥の中庭を囲む店舗は、倉敷の工芸文化を継承するクラフトマンが入居し、店舗には工房が併殺されている。一テナントで全ての施設を使用するのは難しい。そこで楢村氏と施主の青山氏は数名のクラフトマンを集め、公的な助成金も活用し、個性的な「クラシキ クラフト ワークビレッジ」を企画した。その甲斐もあり、それまで運河沿いに集中していた観光客を旧街道沿いにも呼び入れている。
リノベーションの設計者には、建築の設計だけでなく、運営のマネージメント力、補助金やクラウドファンディングなどで資金を集める能力も求められている。

概要その他

設計者
倉敷建築工房 楢村徹設計室
所在地
岡山県倉敷市本町1-13
Goole Map >>
改修年
2017年
建築規模
木造2階建、延床面積:357.13㎡
掲載書誌
TOTO通信 2027年秋号
URL
https://jp.toto.com/page/knowledge/useful/tototsushin/backnumber/assets/pdf/no516.pdf

リノベーションの手法・キーワード 等

用途変更, 挿入

 

備考

<楢村徹設計室websiteより> 代々住み継がれてきた町家を、工房が併設されている7店舗へと姿を変える。表から奥へとつながる「通り庭」も魅力の一つ。日本の民芸運動とゆかりの深い倉敷に 改めて「手仕事」を根付かせたい。倉敷から若い力で発信したいという代表の思いがひかる。

 

 

記録作成者

氏名
桐原 武志
所属
Free JIA再生部会