DAMS

Before:macello comunale(市営食肉処理場) → After:DAMS(Discipline delle Arti, della Musica e dello Spettacolo)

配置図/柳沢伸也

旧建物の間に鉄骨造のホールを増築/柳沢伸也

既存建物間に増築されたホール内部/柳沢伸也

黄色い建物が旧工場建物の間に増築された部分/柳沢伸也

第二次世界大戦まで使われていた旧食肉処理場の建物は、2003年に大学付属のマルチメディア機能の拠点施設として再生された。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称macello comunale(市営食肉処理場)DAMS(Discipline delle Arti, della Musica e dello Spettacolo)
DAMS (Department of Arts, Music and Show)
建築用途生産施設 工場 教育施設 大学
建築概要/
Renovation 概要

第二次世界大戦まで、隣接するパン工場や塩貯蔵庫とともに、ボローニャの食料供給を支える市営の食肉処理場として機能していた。

建物には大学演劇芸術音楽学部(DAMS)とコミュニケーション・サイエンス学科、及び映画修復で世界的な評価を受けるフィルム・ライブラリー財団が誘致された。フィルム・ライブラリー財団による図書館とアーカイブの他、スタジオが置かれ、映画の視聴、教育、研究及び出版制作が行われている。
設計は建築家アルド・ロッシ(1931~1997)の後、都市計画局の建築家ロベルト・スカンナヴィーニが引き継いだ。既存の平行な工場配置を生かし、既存建物間のスペースに新しく鉄骨造の屋根をかけて内部化している。図書館入口には真っ赤な円柱状の玄関ホールを設け、中心性を持たせた。歴史的な記憶を残すため、建物ファサードには牛や豚の彫像サインが残され、煙突は空調機械設備用に転用された。新たに増築された部分は、建築材料を変えて、既存との対比を明確にしている。

概要その他

設計者
マスタープラン:Aldo Rossi, 実施:Roberto Scannavini
所在地
Bologna, Italy
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改修年
2003
建築規模
敷地面積:4,200㎡
掲載書誌
コンパクト建築設計資料集成・都市再生
資料
造景別冊1「イタリアの都市再生」1998.11.15
資料・その他
https://corsi.unibo.it/1cycle/DramaArtsMusic

リノベーションの手法・キーワード 等

増築,補強,産業遺産,用途変更,遺構,海外

用途変更, 痕跡, 壁面保存, 増築, 挿入, 対比, 補強, 遺構

 

備考

ボローニャ市は地元の音楽文化の促進のため、芸術工場地区に本格的なクラシック音楽ホールを建設することを計画し初期段階では開発対象区域外だった土地を取得した。この音楽ホール建設により、旧タバコ工場地区は映画及び音楽に関する次世代を担う創造産業拠点としてより一層強化される。建築家レンゾ・ピアノとアレッサンドロ・タルディによる音楽ホールの基本設計案では座席数1800席のシューボックス型音楽ホールが建設される予定である。しかし建設費の予算措置や着工のめどはまだ立っていない。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会