小杉湯となり

Before:小杉湯 → After:小杉湯となり

小杉湯外観/撮影:桐原 武志

手前が「小杉湯となり」奥が「小杉湯」/撮影:Katsuhisa Kida / FOTOTECA 提供:T/H

1Fカフェ内観/撮影:Katsuhisa Kida / FOTOTECA 提供:T/H

2Fシェアオフィス内観/ 撮影:Katsuhisa Kida / FOTOTECA 提供:T/H

関連タグ:

銭湯を直接リノベーションした事例ではないが、銭湯に新たな価値加え継承する手法として、銭湯のあるくらしを提供できる場「銭湯付きシェアオフィス」を増築。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称小杉湯小杉湯となり
Kosugiyu Tonari
建築用途アミューズメント 銭湯 事務所, 商業施設 オフィス 店舗
建築概要/
Renovation 概要

1932年から続く銭湯が隣地に所有していた解体前の風呂なしアパートを期限限定で「銭湯ぐらし」というプロジェクトが元で「小杉湯となり」が誕生

<T/H Websiteより> 昭和8年から続く老舗の銭湯、小杉湯。その隣で、銭湯のある暮らしを提供する施設である。銭湯には、「人と話さなくてもいいけど、人とつながれる」、会話を前提としない静かなコミュニティがある。それは「ある集団に属する」というよりも、人々の営みが織り込まれた「環境に属する」といった感覚であり、その環境が小杉湯においては、男湯と女湯にまたがって架かる大きな越屋根によって生まれる上空にあって、太陽の光を取込み、風が抜け、くぐもった湯気が立ち込め、匂いを溶かし、音を響かせている。室内だけど上空があるような、この独特な環境のあり方を展開して、銭湯的なコミュニティを拡張したいと考えた。
3階建ての建物を小さく切り分けるように、階と階の間を半透明な層として、外部環境を取り込む。直接、あるいは庇に反射して取り込まれた光が層の中で拡散を繰り返して柔らかさを湛え、メッシュの膜を通して室内に落ちてくる。1階は南側の強い光を庭の紅葉の葉の輪郭と共に天井の膜に写し取り、2階は穏やかな北側の光で満たされている。膜は見上げる角度によって空が見えたり、湯気のようにくぐもったりしている。南北の風が半透明な層を通り抜け、熱を奪いながら膜を介して室内の空気を優しく動かす。音や匂いが薄い床を通して人の気配をそれとなく伝える。人々の暮らしの上には、ゆらぎ、うつろう環境が広がっている。

概要その他

設計者
設計:T/H 樋口耕介、瀧翠、 企画・運営:銭湯ぐらし
所在地
東京都杉並区高円寺北3-32-162
Goole Map >>
改修年
2020年
掲載書誌
新建築:2020年5月号、CASABRUTUS No249、DOMUS:web 09.10.2020、商店建築:2021年1月号
URL
http://www.th-archi.com/project_kosugiyutonari.html

リノベーションの手法・キーワード 等

増築

 

 

 

記録作成者

氏名
桐原 武志
所属
Free / JIA再生部会