旧四谷第四小学校 現四谷ひろば・東京おもちゃ美術館・CCAAアートプラザ

2023.07.20 更新 カテゴリ:コラム

地域に愛されてきた小学校も児童数の減少により統廃合を迎え、2006年に廃校となりました。
校舎が取り壊されず活用されてきたのには、関係者の努力がありました。
もとPTAや卒業生などが、校舎を活用し実績を作り、行政に働きかけたことが区長にも届きました。
活用するためのプラン作りも地域の方々が行いました。
東京おもちゃ美術館や元美術教師だった先生へ美術館として入って頂く働きかけも自ら行いました。
用途変更後もこどもが訪れる場所であり続けています。

周辺敷地に1層分の高低差があるため、校庭は地下レベルにあり校庭から見ると4階建てに見えます。
四谷第四小学校のシンボルは校庭と正面昇降口を結ぶ「ランプ坂」と呼ばれているスロープです。
rap」はスロープという意味で、昭和11年当時の図面に記載されています。
それがいつの間にか愛称となり、文集などのタイトルにも使用されるようになりました。
ところが耐震改修の折にその「ランプ坂」を廃止して耐震壁を作る計画が発表されました。
それを聞いた地域の建築関係者が「ランプ坂をなくしてはいけない」と強く意見を届け、
それが行政も動かし、「ランプ坂」に半分掛かる位置まで耐震壁を後退させる案に落ち着き、
現在も校庭からの景観を残しています。
(文:大橋智子、写真:桐原武志)