当Websiteで紹介している「名古屋大学豊田講堂」と「ゐのはな記念講堂」を設計された槇文彦氏が６月６日に逝去されました。私が尊敬する建築家でした。
１０月１１日～１３日に槇さんの代表作であるヒルサイドテラスで「槇文彦さんメモリアルの会」が開催されました。葬儀やお別れ会と異なり、個人が槇さんの遺影や動画と向き合い、お別れをする場でとても良い会場構成でした。私も献花とお別れをさせていただきました。

２０１７年～２０１８年に私が所属するJIA金曜の会で、セミナー「建築家 槇文彦の３回連続講座」を企画し、進行役をさせていただきました。その時お会いしたのが最後になりました。 

会場を後にし、久しぶりにヒルサイドテラスを散策しました。１９６９年に第１期が完成し、１９９８年のヒルサイドウエストが完成するまで長い時間をかけ、時代のニーズに対応した棟を増やし、既存の建物にも新たな息吹を与えたヒルサイドテラスの空間を改めて体感しながらの散策でした。

当Websiteで紹介しているリノベーション建築の多くが時間の経緯を大切にし、既存建物に新たな息吹を与える建築です。
槇さんの精神がリノベーション建築にも引き継がれていると思います。
(文・写真　桐原武志）