ルーブル美術館

Before:ルーブル宮殿 → After:ルーブル美術館

保存された王宮をガラスのエントランスから望む/柳沢伸也(2005年)

エントランスのらせん階段、中央には円筒形の油圧エレベータ/柳沢伸也(2005年)

大理石彫刻が置かれた古代ギリシャ・エトルリア・ローマ部門/柳沢伸也(2005年)

王宮として使われてきた歴史的文化財の建物群を、ガラス製ピラミッドのエントランスを挿入することによって、機能的かつモダンな世界最大級美術館に転用した

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称ルーブル宮殿ルーブル美術館
Louvre Museum
建築用途住居施設, 事務所 官舎 庁舎 展示施設 博物館, 美術館
建築概要/
Renovation 概要

元は12世紀に建設されたルーブル城で、増改築が繰り返されて現在のルーブル宮殿の建物となった。1793年に一部が王室美術館として開館した。

フランスのミッテラン大統領が推進した「パリ大改造計画」の一つで、それまで宮殿内にあった財務省等が移されて宮殿全体が美術館となった。多数の来館者で行列が絶えないという課題を、設計者のイオ・ミン・ペイは、広場中央にピラミッド型のエントランスを設置し地下空間で結ぶことによって、バラバラだった各棟をひとつに集約し解決した。エントランスのらせん階段の中央には、オープンな油圧式エレベーターが設置され劇的なアプローチを形成している。夜間にはピラミッドがライトアップされ、周囲の歴史的建造物群との対比が強調された美しい景観が作られている。

概要その他

設計者
Ieoh Ming Pei
所在地
フランス、パリ
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改修年
1989
掲載書誌
『 I.M.Pei』Aileen Reid, 『LE LOUVRE』Anne Laure Peressin
資料
https://www.louvre.fr/en
URL
https://www.louvre.fr/en

リノベーションの手法・キーワード 等

用途変更, 痕跡, 増築, 挿入, 対比, 遺構

 

備考

ガラスのピラミッドは、クフ王のピラミッドと同じ比率で鋼とガラスで構成されている。高さは20.6mに達し、四角い土台は一辺35m。ピラミッドは、1989年 5月30日にフランス革命の200周年に合わせて正式にオープン。地下5mには岩盤があり、12世紀の要塞もあったため、掘削工事は難航を極めた。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会