大英博物館グレートコート

Before:大英博物館中庭(機械置場) → After:大英博物館グレートコート

ガラスの屋根がかけられて内部化した中庭/柳沢伸也(2006年)

かつての面影を残す図書室/柳沢伸也(2006年)

グレートコートのカフェ/柳沢伸也(2006年)

歴史的文化遺産である大英博物館の中庭に、大きなガラス屋根を設けて内部化し、エントランスホールやショップ、美術教育センター(地下)に転用した。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称大英博物館中庭(機械置場)大英博物館グレートコート
The British Court
建築用途図書館資料館, その他 図書館, 資料館 その他 図書館資料館, 教育施設, 展示施設 図書館 研修所 博物館
建築概要/
Renovation 概要

19世紀に専門家用の図書館と付随する書庫群が増築され、立入り禁止区域の中庭だった。空調室外機等も設置されていた。

イングリッシュ・ヘリテイジ(登録文化財制度)で最も重要と評価されていた建物の中庭空間を、周囲の歴史的建造物と同じ床レベルに持ち上げ、建物の動線を連続統合し、屋根をかけてエントランス空間へ転用した。設計者のノーマン・フォスターは、これにより従来の懸案事項であった観光客のためのスペース不足や、複雑な動線、バリアフリー対策、空調問題など多くの問題を解決した。
既存の建物は、1823年のRobert Smirkeによるデザイン。今回の大改造では、戦後、中庭に増築された部分をすべて撤去し、屋内化したことに特徴がある。中庭がメインエントランスに転用されたことにより、各展示室への動線が飛躍的に明快になった。修復された専門家用図書室は、一般利用のものに変更され、その外側には楕円状のボリュームが増築され、インフォメーションやショップ、カフェなどのサービス機能が付加された。中庭の地下空間は美術教育センターとなり、イベント等に利用されている。

概要その他

設計者
Norman Foster and Partners
所在地
イギリス、ロンドン
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改修年
2000
建築規模
19000㎡
掲載書誌
『SD433号』2000年、『コンパクト建築設計資料集成・都市再生』
資料
『SD433号』2000年、『コンパクト建築設計資料集成・都市再生』

リノベーションの手法・キーワード 等

用途変更, 痕跡, 壁面保存, 増築, 対比

 

備考

大英博物館のリノベーションは、ロンドンのミレニアム・プロジェクトのひとつであり、大英博物館にとっては250周年記念の大事業である。複雑なガラスの屋根形状に対応するため、△を単位としたネット状の形態が採用された。円筒状図書室の廻りには、荷重を支えるための壁面が増築されている。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会