日和山小幡楼

Before:割烹小幡 → After:日和山小幡楼

改修前の全景(左から洋館、和館、土蔵)/高谷時彦

改修された全景(左から洋館、和館、土蔵)/高谷時彦

エントランスとしての和館の見せ土間/高谷時彦

床を撤去した2層吹抜けの飲食店、正面にオリジナルの照明/高谷時彦

明治・大正期に建てられた料亭を公民連携によって、カフェベーカリー、甘味処、市民利用スペース等の交流観光施設にリノベーション。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称割烹小幡日和山小幡楼
Hiyoriyama Obatarou
建築用途商業施設 飲食店 集会施設, 商業施設 地区センター 飲食店
建築概要/
Renovation 概要

明治、大正期につくられた湊町酒田を代表する料亭。映画「おくりびと」のロケ地となった後、放置されていた。

元の洋館は、1階が無筋コンクリート、2・3階が木造のフレンチレストランとして大正時代に開業。無筋コンクリートの1階部分にRCボックスを挿入し、耐震、止水、床の不陸等の問題解決を図った。また、2階の床を大胆に抜き、明るい吹抜け空間を形成した。和室だった3階は、トラスの小屋組みが見えるよう天井を取り除き、カーペットを敷いて展望プレイスに転用した。
伝統的町家形式の和館は、後に増築された下家部分を撤去し町家の基本構造を残すとともに、S造の通り土間で囲んで補強を行った。原型となる町家を保存できただけでなく、S造でモダンな表情を持つ空間と新旧の対比を生んでいる。このリノベーション手法は、歴史的価値、耐震性能および現代的な新しさの3者を共存させる試みである。和館2階の和風座敷には、珍しい小屋組み(平行弦の梁の上に三角トラス)があるため、あえて天井を張らず構造を見せている。

概要その他

設計者
設計計画高谷時彦事務所/高谷時彦
所在地
山形県酒田市
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改修年
2021
建築規模
延べ面積:766.30㎡、和館:木造2階、洋館:地下RC造+木造2階、土蔵:2階建て

リノベーションの手法・キーワード 等

用途変更, 壁面保存, 減築, 挿入, 対比, 補強

 

備考

■内部仕上げ
和館みせ土間、客席など/床:大型磁器質タイル、ナラフローリング、壁:GB+EP、天井:小屋組み表し
和館2階座敷/床:畳敷、壁:GBのうえEP、天井:小屋組み表し
洋館地階/床:磁器質タイル、壁:珪藻土風薄塗仕上、木製ルーバー(吸音壁)、天井:GB+EP
洋館2階/床:タイルカーペット、壁:GBのうえEP、天井:小屋組み表し
洋館階段室/床:リノリウム張り、壁:GBのうえEP、天井:GBのうえEP
■外部仕上げ
和館/屋根:カラーガルバ鋼板横葺き、壁:漆喰調外装薄塗仕上げ、下見板張り
洋館/屋根:カラーガルバ鋼板横葺き、壁:フッ素系弾性複層仕上げ

 

 

記録作成者

氏名
高谷時彦
所属
設計計画高谷時彦事務所