リール市立美術館

Before:The Palais des Beaux-Arts de Lille → After:リール市立美術館

既存の歴史的建築ファサードが映り込む増築棟。水盤下は展示室。/柳沢伸也(2005年)

事務機能が入るガラスでおおわれた奥行きの浅い増築棟/柳沢伸也(2005年)

天井に点光源が埋め込まれたエントランスホール/柳沢伸也(2005年)

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1892年に建てられたバロック様式の本館の改修に加え、管理棟を増築し両者を地下展示室でつなげたリノベーション。地下のガラスのトップライトは地上部で水盤として機能している。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称The Palais des Beaux-Arts de Lilleリール市立美術館
Fine Arts Museum of Lille
建築用途展示施設 美術館 展示施設 美術館
建築概要/
Renovation 概要

バロックリバイバル様式の建物は、Edouard Bérard (1843–1912) とFernand Etienne-Charles Delmas(1852–1933) による設計で1892年に完成。1990年代初頭には建物の状態が悪く、改修が必要な状態だった。

リノベーション前の状態は、ロの字型平面が2つ続く、奥に大きな空間であった。設計者のJ.イーボスとM.ヴィタールは、1930年代と70年代の増築部分を撤去し、地下室と管理棟を増築し、見通しの良い空間を取り戻した。中庭を挟んで建てられた管理棟は、シンプルなガラスの箱で形成され、既存の歴史的な美術館のファサードを反射しつつ、自らの存在感を打ち消している。ガラスの表面は、半分透過し半分反射するという細やかな細工が施され、記号としての歴史的ファサードが管理棟に映し出され、さらにはそこで働く人間の像が透過し、バーチャルな映像が出現している。新しく実物大のスクリーンを建設して、新旧の建物を対比させる手法は他を見ない。

概要その他

設計者
Jean Marc Ibos, Myrto Vitart
所在地
フランス、リール
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改修年
1997
掲載書誌
『SD第433号2000年10月号』改造建築
資料
https://www.miesarch.com/work/282
URL
https://pba.lille.fr/en/Information

リノベーションの手法・キーワード 等

映り込み,写り込み

 

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会