サラボルサ図書館

Before:Palazzo d'Accursio → After:サラボルサ図書館

建物の断面スケッチ/作図:柳沢伸也

かつて証券取引所に使われていた大空間/柳沢伸也(2017年)

新聞や雑誌を閲覧できるフリースペース/柳沢伸也(2017年)

新しい屋根をかけ,自然光の入るようにした3階フロア/柳沢伸也(2017年)

歴史的な建物を保存活用したマルチメディア図書館。書籍の他、オーディオブック、新聞、雑誌、ビデオなど多様なデジタルリソースを利用できる。大ホールのガラス床下には紀元前時代の遺跡が残されている。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称Palazzo d'Accursioサラボルサ図書館
La Biblioteca Salaborsa
建築用途事務所 その他 図書館資料館 図書館
建築概要/
Renovation 概要

元は1350年代に軍隊の本部として建てられた要塞が、16世紀には植物園に改造され、その後、証券取引所や銀行、庁舎などとして使われていた。

かつて証券取引所や庁舎として使われていた歴史的な建物を、その特徴ある大空間を生かして転用したマルチメディア図書館。
屋根付きの広場を中心に3層のフロアがロの字型に配置され、書籍の他、オーディオブック、新聞、漫画、雑誌、地図、ビデオ、CD、DVDなどさまざまな種類の文書を閲覧することが可能。地下に残る紀元前時代の遺跡を見せるために、1階床はガラス張りとし、自然採光を確保するために屋根には鉄骨トラス屋根がかけられた。
開設時には、2階にカフェレストランや本屋が入り、3階にはインターネットポイントやCD,DVDを視聴するオーディオライブラリーが中心だったが、時代の変遷とともに、新聞や雑誌などを閲覧するフリースペースが増やされ、オーディオスペース等は縮小された。広場では常にイベントが開催されるなど、時代と共にアレンジしながら利用されている。図書館入口はマジョーレ広場に面しているものの、かつての要塞を保存したままのため、小さく目立たない玄関となっている。

概要その他

設計者
Roberto Scannavini
所在地
イタリア、ボローニャ
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改修年
2001年
建築規模
地上3階、地下1階
URL
https://www.bibliotecasalaborsa.it/

リノベーションの手法・キーワード 等

 

備考

サラボルサとはイタリア語で「証券取引所」という意味で、図書館の名称はここから由来している。
設計者のロベルト・スカンナヴィーニ氏は役所所属の建築家で、有名な歴史的中心市街地の保存再生を主導したことで知られる。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会