ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館「佳水園」

Before:都ホテル 佳水園 → After:ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館「佳水園」

旧佳水園宴会場(東山)完成時/提供:ウェスティン都ホテル京都

外観/提供:ウェスティン都ホテル京都

客室内観(東山1)/撮影:Koji Fujii / TOREAL 提供:中村拓志&NAP建築設計事務所

内観/撮影:Koji Fujii / TOREAL 提供:中村拓志&NAP建築設計事務所

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村野藤吾の数寄屋建築を遵守し、耐震改修を施し2室を1室に統合したベッドスタイルへとリノベーション

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称都ホテル 佳水園ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館「佳水園」
Kasuien (The Westin Miyako Kyoto)
建築用途宿泊施設 ホテル 宿泊施設 ホテル
建築概要/
Renovation 概要

建築家・村野藤吾が作り上げた数寄屋建築の傑作。耐震改修と客室の面積とスタイルがニーズに対応出来なくなっていた

<中村拓志&NAP建築設計事務所 Websiteより抜粋> 佳水園はその敷地内に建つ和風別館であり、建築家・村野藤吾が作り上げた数寄屋建築の傑作である。入母屋妻面の屋根が棟部分から頭(こうべ)を垂れるような、低く薄い幾重もの屋根が印象的な外観は、築60年を経て今なおその美しさを伝えるが、老朽化対策と耐震改修を迫られていた。既存の客室は小割で質素なつくりとなっており、昨今のニーズに応えるべく改修することになった。・・・
庭と外観、共用部に関しては、ホテル側としても設計当時の意匠の維持・復原が大前提であった。しかし、客室内に関しては本館改修計画と同様、耐震改修を施した上で 2 室を 1 室に統合し、充実したバス空間をもつベッドスタイルへと拡充することが求められた。そうなるともはや残し得るのは一部の柱や床の間、欄間の意匠、障子だけであった。一部の柱は切り落として継ぎ、既存の聚楽壁は構造用合板を増し張りする必要があった。また、天井も火打梁の施工や、空調機を天井内に設置しブリーズラインを設けるために全落としとなった。文化的価値の高い建築の改修は、保存と再生箇所を明確にわかるように区分することが流儀とされている。しかし上述したように、客室に関しては、それが極めて難しい状況であった。そこで、「月 7」のみ間取りを維持し、それ以外の客室は全面的な変更を行った。・・・
われわれは村野による 素晴らしい建築を保存した上で、最新の技術と職人の手仕事を融合させた「村野数寄」として再生。白楊の庭園の文人的世界観や地域の歴史、風景との接続をはかり、村野自身もそうであったように、単なる復原や懐古的な伝統称賛に陥ることのない、未来につながる数寄屋建築を目指した。

概要その他

設計者
大林組一級建築士事務所。全日本コンサルタント。中村拓志&NAP建築設計事務所
所在地
京都府京都市東山区三条けあげ
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改修年
2020年
建築規模
延床面積:1,617㎡
掲載書誌
新建築2021年6月号
賞・選定
・2022年度 グッドデザイン賞 グッドデザイン・ベスト100 ・2023年 日本建築学会 作品選奨  ・DOCOMOMO選定
URL
https://www.nakam.info/jp/works/kasuien/

リノベーションの手法・キーワード 等

 

 

 

記録作成者

氏名
桐原武志
所属
Free JIA再生部会