ザ・ホテル青龍 京都清水

Before:京都市立清水小学校 → After:ザ・ホテル青龍 京都清水

改修前は校庭だった大階段南側/大橋智子(2012年)

かつては校庭だった芝生広場/柳沢伸也(2024年)

特徴あるデザインの梁型が残る室内/柳沢伸也(2024年)

通路を増設し講堂の外壁を屋内化した部分/ザ・ホテル青龍 京都清水

1933年に建設された既存校舎を生かしながら、ホテルにコンバージョンした。瓦やアーチ型の窓、タイルなど既存外装を保存しつつ、質の高い空間を形成している。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称京都市立清水小学校ザ・ホテル青龍 京都清水
THE HOTEL SEIRYU KYOTO KIYOMIZU
建築用途教育施設 小・中・高等学校 宿泊施設 ホテル
建築概要/
Renovation 概要

明治2年に開校し、昭和8年に現在の地に移転新築され、清水小学校と改称された。地域の多様な行政機能を持つ複合庁舎でもあり、コミュニティの中心としての役割を担っていた。2011年に閉校。

明治2年に開校し、昭和8年に現在の地に移転新築され、清水小学校と改称された。2011年に閉校。京都の初期の小学校は番組小学校として建てられ、地域の多様な行政機能を持つ複合庁舎であり、建設や維持費および運営を地元の自治会が行っていた。そのため、改修後においても、隣接した自治会館において地域のコミュニティの中心としての役割を担っている。
リノベーションとしては、校庭に渡り廊下を設置してエントランスゲートを設置し、レストラン棟を増築してロの字型の平面プランとすることによって、落ち着いた中庭空間が形成されている。増築部分は、シンプルでモダンな形態を採用。外装のタイル、屋根瓦、石材、洗い出しなどを保存再生し、。内装では、ハンチ梁、木製腰壁、階段モザイクタイルなどを残し、既存校舎の装飾性あるデザインが残されている。また、渡り廊下屋根を利用し屋内通路を増設することで、利便性の向上と避難動線を確保し、外部の木腕木や銅製の樋などを保存することが可能となった。既存校舎の価値を保存しながら、質の高いホテルへと再生されている。

概要その他

設計者
東急設計コンサルタント(基本設計),大林組(実施設計),A.N.D(クリエイティブディレクション)
所在地
京都府京都市東山区清水2丁目204-2
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改修年
2019年
建築規模
地上4階、塔屋1階、延床面積6,823.96㎡
掲載書誌
『商店建築2020年6月号』,『新建築2020年9月号』
賞・選定
第31回BELCA賞、グッドデザイン賞、日本空間デザイン賞2020

リノベーションの手法・キーワード 等

用途変更, 痕跡, 壁面保存, 増築

 

備考

2015年に京都市から借地権による事業提案募集があり、NTT都市開発によるプロジェクトが選定された。既存不適格項目に対して、基準法3条による「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例」を活用している。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢 伸也
所属
JIA再生部会