はじまりの美術館

Before:酒蔵→ダンスホール→織物工場→住居→倉庫 → After:はじまりの美術館

倉庫として使われていた頃の外観 /はじまりの美術館 2010年撮影

南妻側の外観。屋根の積雪荷重を考慮し新たに方杖を設置。/桐原武志 2024年

エントランスから展示室方向を見る。2F床は撤去され太い床と小屋組みを見ることが出来る/はじまりの美術館

エントランスホールとカフェ/はじまりの美術館

[No181] 半壊状態の蔵をスケルトン状態とし、使用可能な材を遺し新たな構造材を加えた空間に、CB壁の展示室を挿入し美術館にリノベーション

リノベーション概要

Before

建築名称酒蔵→ダンスホール→織物工場→住居→倉庫
建築用途生産施設 倉
建築概要

約140年前に建てられた酒蔵で十八間蔵と呼ばれ親しまれてきたが、東日本大震災で梁が崩れ落ち倒壊寸前の状態となった。

After

建築名称はじまりの美術館
HAJIMARI ART CENTER
建築用途 展示施設 美術館
リノベーション概要

約140年前に建てられ桁方向の大梁が33m(十八間)あり、十八間蔵と呼ばれ親しまれていた酒蔵。東日本大震災で半壊状態になったが、スケルトン状態にし、会津の大工たちにより美術館として再生された。
減築・・屋根に葺かれていた屋根土を取り除き建物を軽量化するとともに、2階の床を撤去し美術館にふさわしい天井の高い空間としている。
代替・・外壁の土壁と小舞を撤去し、木毛版、グラスウールに上部は白洲そとん壁、下部は焼杉の下見板張とし当初と同じ材料による復元ではないが、建物の断熱性を向上させ自然素材で構成されている。
補強・・屋根の庇の積雪荷重を考慮し杉材による方杖を設けている。
街と繋がる・・主エントランスの先に出入口を設け、建物を貫通する通路をもうけることで、学校帰りの子供たちのや町の人が通り抜ける通路とし街との繋がりを持たせている。
大梁・・当初の蔵を建てたのは塩の専売で財をなした人で、建物の規模にしては太い大梁が使われている。途中で継いではいるが、建物の中央を南北に貫く大梁が、福祉とアートをつなぐ空間に力強さを与えている。

設計者 竹原義二/無有建築工房
所在地 福島県耶麻郡猪苗代町
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改修年 2014年
建築規模 構造:木造、地上2階、建築面積:235.66㎡、延床面積:284.01㎡
掲載書誌 新建築 2014年9月号、住宅特集2015年10月号、公共建築 2021年11月号
賞・選定 2017年日本建築学会作品選奨、2017年グッドデザイン賞、第33回福島建築文化賞正賞、第17回公共建築賞優秀賞
資料・その他 冊子
資料・その他(PDF) [ PDF版資料ダウンロード ]
URL https://moo2002.com/?works=hajimari

リノベーションの手法・キーワード 等

用途変更, 減築, 補強

 

 

 

記録作成者

氏名
桐原武志
所属
Free JIA再生部会