袖ヶ浦の長屋

Before: → After:袖ヶ浦の長屋

狭く暗い裏路地側に面する南側の既存外観。/AWA

表通り側の外観。1階右端が新設した表と裏通りを結ぶ通路/堀越圭晋 / エスエス

再生後の南側の一部。縦長の開口は薄暗い路地を明るく照らす。/堀越圭晋 / エスエス

建物を貫くスリットで表通りと裏路地を接続させる。/堀越圭晋 / エスエス

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築50年程の店舗・住戸長屋を改修。周辺環境の変化や過去の改造による諸問題を抱える建物に「減築」するアプローチを試みた。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称 袖ヶ浦の長屋
建築用途住居施設, 商業施設 集合住宅 店舗 住居施設, 商業施設 集合住宅 店舗
建築概要/
Renovation 概要

郊外団地の外れに位置する店舗兼用住宅。場当たり的な改造により、1階の界壁や階段の撤去で区画が無理やり統合された。未申請の増築もなされており、機能的な動線と遵法性が失われていた。

約50年前、マンモス団地が誕生した直後に近隣に新築された既存建物は、大型ショッピングモール出店や団地住民の高齢化など、周辺環境の変化により機能不全に陥っていった。場当たり的な改造が繰り返され、今回の対象区画では、1階の界壁や階段の撤去で区画が無理やり統合され、未申請の増築がなされており、機能的な動線も失われていた。
遵法性や性能は確保しつつ、この建物が持つ自由さや逞しさを引き出すため、これまで増築が重ねられてきた建物を「減築」によって再構成し、諸問題を解決するとともに既存躯体の可能性を新たな方法で現した。すなわち駐車場やエントランスへのアプローチとなる半屋外の通り抜けをつくった。この通り抜けは建物を貫く「スリット」となり、建物によって分断されていた表通りと裏通りを接続する。さらに裏通り側では撤去されていた共用階段を作り直し、塞がれていた開口部を復旧し、薄暗い裏路地を明るく照らした。2階の専有部は区画を維持しつつ区画内の間仕切り壁を極力減らし、住戸に限らず多様な利用が可能な空間に再編した。

概要その他

設計者
株式会社渡邉明弘建築設計事務所/渡邉明弘、赤崎雄太
所在地
千葉県習志野市袖ヶ浦
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改修年
2023年
建築規模
地上2階、延床面積約326㎡
資料・その他
改修経緯図
資料・その他(PDF)
[ PDF版資料ダウンロード ]
URL
https://aki-watanabe.com/

リノベーションの手法・キーワード 等

適法化、減築

 

 

 

記録作成者

氏名
渡邉明弘、高橋歩
所属
株式会社渡邉明弘建築設計事務所