ガラータ海の博物館

Before:パラッツォ・ガラータ(Palazzo Galata) → After:ガラータ海の博物館

17世紀当時のガレー船(中世の漕船軍艦)/柳沢伸也(2005年)

ガラスのファサードで改修された旧造船所/柳沢伸也(2005年)

新たに設けられたエントランスホール/柳沢伸也(2005年)

元の造船所の船台を活用し実物大のガレー-船を展示/柳沢伸也(2005年)

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[No205] ジェノヴァ旧港地区に位置する「ガラータ海の博物館(Galata Museo del Mare)」は、17世紀に建てられた造船所・倉庫群を再生し、2004年に開館した海洋博物館である。かつてこの地は、ジェノヴァ共和国の海軍を支えたガレー船の建造や港湾倉庫として機能していたが、20世紀以降は衰退。都市再生プロジェクトの一環としてスペインの建築家ギジェルモ・バスケス・コンスエグラが改修設計を担当し、歴史的構造を保存しながらガラスファサードなどの現代的要素を挿入することで新たな文化施設として蘇らせた。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称パラッツォ・ガラータ(Palazzo Galata)ガラータ海の博物館
Galata Museo del Mare
建築用途生産施設 工場 展示施設 博物館
建築概要/
Renovation 概要

ガレー船の建造や修理を行っていた造船所として17世紀に建てられた。当時、ジェノヴァは地中海交易の中心都市のひとつであり、強力な海軍を有していた。建物はレンガ造や石造を中心とした堅牢な構造で、屋内には大空間が確保されていたことが特徴である。

ジェノヴァ旧港地区に位置する「ガラータ海の博物館(Galata Museo del Mare)」は、17世紀に建てられた造船所・倉庫群を再生し、2004年に開館した海洋博物館である。かつてこの地は、ジェノヴァ共和国の海軍を支えたガレー船の建造や港湾倉庫として機能していたが、20世紀以降は衰退。
都市再生プロジェクトの一環としてスペインの建築家ギジェルモ・バスケス・コンスエグラが改修設計を担当し、歴史的構造を保存しながらガラスファサードなどの現代的要素を挿入することで新たな文化施設として蘇らせた。石造やレンガ造の構造体を生かした展示空間には実物大のガレー船が復元されるなど、海洋都市ジェノヴァの記憶を伝える場となっている。
本プロジェクトは、歴史的建築の保存と現代建築の融合に成功した例として建築界からも評価され、旧産業地区における文化再生のモデルとなっている。

概要その他

設計者
Guillermo Vázquez Consuegra
所在地
Porto Antico, Genova, Italy
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改修年
2004年
掲載書誌
TC Cuadernos 92/93 – Guillermo Vázquez Consuegra: Architecture,2010
資料
https://archello.com/project/museo-del-mare-di-genova

リノベーションの手法・キーワード 等

補強,増築,対比,産業遺産,用途変更

用途変更, 壁面保存, 増築, 対比, 被覆, 補強

 

備考

17世紀の石造・レンガ造の外壁やヴォールト天井を保存。内部空間は​既存の大空間を活かしつつ、展示室や通路を再構成。海側に大規模なガラスの新ファサードを設置し、自然光を取り入れ、内部空間を明るく開放的に演出。​新設されたガラス構造内にエレベーターや階段を配置し、来館者の移動をスムーズになるよう垂直動線を確保した。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会