タルポニア(西部住宅ユニット)

Before:西部住宅ユニット → After:タルポニア(西部住宅ユニット)

建設当初のインテリアの様子(説明看板を撮影)/撮影:柳沢伸也

半円形にカーブを描く建物、全長約300m/撮影:柳沢伸也

屋上緑化部分に設けられたトップライト/撮影:柳沢伸也

建設当初のままに保存改修されている室内/撮影:柳沢伸也

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[No207]タルポニアとは「モグラの街」という愛称で、正式名称は西部住宅ユニット。イヴレアのオリヴェッティ建築群のひとつで、1971年に建てられた新卒社員や若年労働者のための半地下型の実験住宅である。半円形のプランが特徴で、現在は、民泊や宿泊施設として活用されている。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称西部住宅ユニットタルポニア(西部住宅ユニット)
Unita' Residenziale Ovest
建築用途住居施設 集合住宅, 寮 宿泊施設 ホテル, 簡易宿泊所
建築概要/
Renovation 概要

タルポニアは、1971年にオリベッティ社の若手従業員やその家族のための実験的集合住宅として、ロベルト・ガベッティとアイメ・ルイージ・イゾラによって設計された。建物は斜面に沿って半地下に埋め込まれ、屋上は緑化され、トップライトで室内に自然光が届く仕組みとなっている。

タイプライターで有名なオリベッティ社は、テクノロジーと社会の幸福を結びつける新しい生活・労働モデルを追求し、イヴレアを「労働者の楽園」となるように工場や住宅、福利厚生施設などを建設した。
中でも、タルポニアは「モグラの街」と呼ばれる地下が他集合住宅で、道路からはトップライトだけが見える近未来型の実験住宅として建設された。長さ300mに及ぶ半円形のプランが特徴で、主に、新卒社員や若年労働者のための住居として設計された。
タルポニアは、オリベッティ社の社会的理想を象徴する建物として、その独特の形態と機能を尊重するかたちで、維持・活用されてきた。現在、81戸の居室は分譲され、民泊など宿泊施設として活用されている。内部の設備更新や安全対策は随時行われている。

概要その他

設計者
所在地
Ivrea, Italy
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改修年
随時
建築規模
地下1階、地上1階(半地下)、住戸数82戸、RC造
URL
https://www.ivreacittaindustriale.it/i-beni/unita-residenziale-ovest-talponia/

リノベーションの手法・キーワード 等

産業遺産,外観保存,内観保存,用途変更

用途変更, 壁面保存

 

備考

設計者のロベルト・ガベッティ(Roberto Gabetti)とアイメ・ルイージ・イゾラ(Aimaro Isola)は、イタリアの著名な建築家。
タルポニアは、「イヴレア 20世紀の産業都市」としてユネスコ世界遺産に登録された。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会