ツァイツ アフリカ現代美術館/サイロ ホテル
Before:穀物サイロ → After:ツァイツ アフリカ現代美術館/サイロ ホテル

南アフリカ全土から運ばれてきた穀物を選別・貯蔵したサイロ/Thomas Heatherwick Makingより引用

左のサイロが美術館、右がホテル/撮影:桐原武志 2025年

アトリウム内観。トウモロコシの粒を拡大した形状で削り取られたサイロの断面が独創的。/撮影:高橋良弘 333architects 2025年

正面外観。上部のホテル階には内部から膨らんだようなガラスパネルが組み込まれている。/撮影:桐原武志 2025年
[NO215] 42本のサイロで埋め尽くされた中に、アトリウム空間を作り出すため、内部のサイロを貯蔵されていたトウモロコシの粒を拡大した形状に削り取り独創的な空間を生み出している。
リノベーション概要
Before
建築名称 | 穀物サイロ |
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建築用途 | 生産施設 |
建築概要 | 1921年に建設され、高さ57mは当時南アフリカでもっとも高い建物で港湾のシンボル的な穀物サイロであったが、1990年に役割を終えた。 |
After
建築名称 | ツァイツ アフリカ現代美術館/サイロ ホテル Zeitz Museum of Contemporary Art Africa/The Silo Hotel |
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建築用途 | 宿泊施設, 展示施設 ホテル 美術館 |
リノベーション概要 | 南アフリカ全土から運ばれてきた穀物を選別・貯蔵し、出荷準備を整える場所として1921年に建設された穀物サイロ。ケープタウンで最も高い建物で港のランドマークとして存在していたが、流通がコンテナー輸送に変わり2001年にサイロとしての機能を終え、将来の利用の可能性が検討されていた。同時にツァイツ財団は所有している世界的に有名な現代アフリカ美術コレクションを公開する場を探しており、このサイロをツァイツ現代美術館として改修する構想がうまれた。改修するための大きな課題はサイロの形状を継承し42本のサイロが密集する中に美術館としての展示空間と大きなアトリウム空間を確保する事であった。考えられる手法としては、外周部のサイロを保存し内部のサイロを解体して空間を確保ことだが、ヘザウィック・スタジオが考えた手法は、サイロに貯蔵されていたトウモロコシの粒を巨大に膨らませた形状でサイロを削り取ることであった。それにより新築建物では作りえない独創的な空間が生まれた。さらに、サイロのチューブを活かしたエレベータシャフトや螺旋階段の切り口からエレベーターや人々がアトリウムに動きを与えている。 |
設計者 | ヘザウィック・スタジオ |
所在地 | ケープタウン/南アフリカ Google Map >> |
改修年 | 2017年 |
掲載書誌 | ・世界のリノベーション建築-創造的リユースを目指して ・Thomas Heatherwick Making |
賞・選定 | 2019年度のCivic Trust Awards |
リノベーションの手法・キーワード 等
断面、
用途変更, 痕跡, 壁面保存
記録作成者
- 氏名
- 桐原武志
- 所属
- Free/JIA再生部会