佐原町並再生プロジェクト いなえ

Before:西ノ宮文具店 → After:

嵩上げされ、看板建築化していた文具店の表家の外観/撮影:郡 浩美 提供:スタジオ宙

2棟の町家が並ぶ外観。左は物販、右はコミュニティーユースに再生。/撮影:桐原武志 2015年

通りに面する表家内観。通りからここを通して中庭を見通すことが出来る。/撮影:森山 雅智、提供:いなえ

中庭から表家を見返す。/撮影:森山 雅智 提供:いなえ

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[No236] 減築、曳家、改修、再建を組み合わせ、不整合な建築様式の建物群を個性として活かし、過去の痕跡を加えながら再構成した再生プロジェクト。

リノベーション概要

Before

建築名称西ノ宮文具店
建築用途商業施設, その他 店舗
建築概要

明治から昭和の様々な様式の5棟の建物が、複雑に絡み合い、隙間に屋根ががかけられ内部化され、居室や倉庫、店舗として使われていた。

After

建築名称
Inae , Sawara Townscape Regeneration Project
建築用途 集会施設, 展示施設, 商業施設, その他 展示場 飲食店
リノベーション概要

<店内に置かれていたパンフより> 歴史を紐解き未来へ繋ぐ
始めて訪れた時、そこは「伝統」の片鱗も感じられなかった。通リに面した2軒の町家は「看板建築」と化し、たび重なる増改築の結果、裏にあった洋館、土蔵、倉と、輪郭さえ不明なほど複雑に絡みあい、全体が大屋根で覆われて巨大な内部空間をかたちづくり、5棟が一体となり文具店の店舗兼倉庫として使用されていた。
今回の計画は、そこに堆積した歴史を少しづつ紐解くことから始まった。古写真が残っていた町家の外観以外は原型がほとんどわからず、柱のほぞから架構を推察したり、近隣にある他の類似建物に手がかりをもとめるなど、考古学的な取り組みで設計を進めた。また、各棟とも老朽化がかなり進んでおり、基礎、構造、屋根、内外装すべてに手を入れる必要があった。
中庭部分に架かっていた大屋根を取り外した後には、さまざまな建築様式の建物が脈略なく建っている不思議な棟配置が現れた。そこで、むしろ、その重なり合った時間の不整合な感じや、遺構のイメージを大切にしながら空間全体を再構築していった。震災で落下した古瓦のオブジェや土蔵の基礎石でつくった石畳、もともとあった板金製の古い鬼瓦や錆びたトタン波板、廃墟感をあえて残す裏庭など、「いなえ」のあちこちに場所の記憶をちりばめ、歴史を感じる風景をつくった。<郡裕美+遠藤敏也> 

設計者 郡 裕美+遠藤敏也/スタジオ宙
所在地 千葉県香取市佐原イ511
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改修年 2007年-2012年
建築規模 延床面積:西ノ宮母屋(コミュニティースペース) 100.71㎡、倉(喫茶) 83.85㎡、玉澤家母屋(物販) 29.57㎡、洋館(ギャラリー) 10.58㎡、土蔵(ギャラリー) 26.84㎡
掲載書誌 新建築2013年9月号
賞・選定 2015年建築学会賞(業績)
主な関連法規、条例、助成金 等 文化庁町並み保存事業助成金対象事業、 東日本大震災復興 経済産業省 地域商業活性化支援対象事業
資料・その他 伝統的建物の再生と新たな価値の創造
資料・その他(PDF) [ PDF版資料ダウンロード ]

リノベーションの手法・キーワード 等

多様性

用途変更, 痕跡, 遺構

 

 

 

記録作成者

氏名
桐原武志
所属
Free/JIA再生部会