スカラ座

Before:スカラ座 → After:スカラ座

絨毯やクロス等、建設当時に忠実に再現されたボックス席/柳沢伸也

舞台脇に掘られた大きな奈落(工事中)/柳沢伸也

近くからは増築部が見えない景観保全を重視した外観改修/柳沢伸也

ミラノの歴史的シンボルをスイス人の現代建築家マリオ・ボッタが改修。開設当初の復元と機能的な拡張が行われ、既存建物に四角いフライタワーと楕円状のヴォリュームが増築された。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称スカラ座スカラ座
Teatro alla Scala
建築用途集会施設 劇場 集会施設 劇場
建築概要/
Renovation 概要

ジュゼッペ・ピエルマリーニの設計により1778年8月3日に開館。アントニオ・サリエリ、ヴェルディ、トスカニーニ、マリアカラス等のスターの名が刻まれて「オペラの殿堂」といわれる歴史的文化施設。

改修設計はプロポーザル方式で選定され、検討期間を含めて約10年かけた大改修。設計監理は改修部分と新築部分それぞれの得意分野トップを2人立てて担当させた。新築部分では、材料を大聖堂と同じ大理石を採用するなど歴史の継承を配慮している。歴史的保全地区の景観保全を重視し、前面のスカラ広場からの視線の延長線を越えない範囲で増築部分が計画されている。客席や舞台まわりなど主要部分は、歴史的調査・検証を徹底的に行い建築当初に復元した。既存の小劇場は防災避難上の理由から撤去され、オペラの舞台装置や空調システムなど、機能性、環境性能を大幅に改善した。舞台脇には深さ約17メートルの奈落を堀り、2幕分の舞台装置を収納することができるように改修されている。

概要その他

設計者
Mario Botta, Elisabetta Fabbri
所在地
イタリア、ミラノ
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改修年
2004
掲載書誌
『イタリアの歴史的劇場』大月淳,2009年
資料
https://www.teatroallascala.org/en/index.html
URL
https://www.teatroallascala.org/en/index.html

リノベーションの手法・キーワード 等

大規模改修,外観保全,増築,対比

壁面保存, 増築, 挿入, 対比, 復元・復原

 

備考

イタリアの改修の中では、改造の度合いが高い「intervento介入」の位置づけ。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会