カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館

Before:Castello di Rivoli → After:カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館

未完のファサードをそのまま保存活用した美術館/柳沢伸也(2005年)

保存した部分と新しく増築下部分を明確に分けたデザイン/柳沢伸也(2005年)

芝生に囲まれたカフェも併設/柳沢伸也(2005年)

長い間うち捨てられていた居城を現代美術館へと転用した事例。工事中断の未完のファサードをそのまま保存し、新しく付加するものと明確に区別している。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称Castello di Rivoliカステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館
Castello di Rivoli Museum
建築用途住居施設 別荘, 官舎 展示施設 美術館
建築概要/
Renovation 概要

17世紀に建設されたサヴォア公爵の居城のひとつ。戦争や侵略による度重なる破壊のため、建設は頓挫し打ち捨てられた。軍用施設、馬小屋、廃車場などに使われていた。

トリノから西へ約10キロのリヴォリにおける、バロック様式の古城を現代美術館に再生させた事例。美術館の前身は、17世紀に建てられたサヴォア公爵の居城のひとつであった。しかし、度重なる戦争や侵略のため破壊され、ほとんど使用されないまま、軍用施設や馬小屋、廃車場等、不運な運命に置かれていた。建物は旧居城と、長さ140mの私設ギャラリーの2つから構成され、当初は2つの建物はつなげる予定であった。
建築家アンドレア・ブルーノは、現代美術館として再生させる際に、こうした未完成の状態をそのまま保存し、新しく加えるものは過去の遺産とはっきりと区別するデザインを基本方針とした。したがって、バッサリと切り落とされたような建物ファサードはそのまま保存され、ガラスでそっと開口部をふさいでいる。鉄やガラスといった現代的な材料を用いて、歴史の厚みを浮かび上がらせることに成功している。

概要その他

設計者
Andrea Bruno
所在地
イタリア、リヴィリ
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改修年
1984
資料
https://www.castellodirivoli.org/la-residenza-reale/manica-lunga/restauro/
URL
https://www.castellodirivoli.org/

リノベーションの手法・キーワード 等

煉瓦

用途変更, 痕跡, 壁面保存, 対比, 補強, 遺構, アート

 

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会