目黒区総合庁舎

Before:千代田生命本社ビル → After:目黒区総合庁舎

千代田生命保険相互会社本社ビル竣工時の中目黒駅側の外観/提供:目黒区

駒沢通り側の外観/撮影:桐原武志 2024年

エントランスホール:来客を迎える生命保険会社の本社として格式ある空間を耐震補強して再利用/撮影:桐原武志 2024年

階段の魔術師と言われた村野藤吾デザインの螺旋階段/撮影:桐原武志 2024年

関連タグ: ,

設計者村野藤吾の意図を遵守し、生命保険会社本社を区役所として機能するようにリノベーションが行なわれた。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称千代田生命本社ビル目黒区総合庁舎
Meguro City Office Complex
建築用途事務所 オフィス 事務所 庁舎
建築概要/
Renovation 概要

村野藤吾の設計で1966年に竣工した千代田生命の本社ビル。2000年に千代田生命が経営破綻し、目黒区が敷地と建物を取得した。

<目黒区より提供>  生命保険会社の本社ビルとして使用されていた建物を区役所の庁舎としてコンバージョンするにあたり、関係者だけが利用していた空間を一般の区民の方が広く訪れやすい空間とすることを意識して設計計画がたてられた。まず、廊下で細分化されていた事務室を広くカウンター窓口を有するオフィススペースに変換するとともに、多くの来庁者に配慮して総合窓口の設置と駐車場の整備を行なった。
さらに、安全対策として建物の耐震補強を実施したうえ、村野藤吾氏のデザイン意図を遵守したリノベーション設計が行なわれた。
具体的には、保険会社としての豪華な設えの3階南口エントランスホールに加え、中目黒駅からの来館者のアクセスと利便性に配慮した1階西口に玄関を新設した。
特に、村野藤吾のデザインを象徴している螺旋階段は、庁舎利用として安全性を向上させるためにアクリル板を付加したが、村野事務所関係者との協議・協力を経て、当初のデザイン意図を損なうことなく改修を行なった。

概要その他

設計者
安井建築設計事務所
所在地
東京都目黒区上目黒2-19-15
Goole Map >>
改修年
2003年
建築規模
本館:SRC造・RC構造、地下3階 地上6階 別館:S造、地下3階 地上9階 
掲載書誌
新建築:2003年4月号、日経アーキテクチュア:2003年4月28日号、建築技術:2004年3月号
賞・選定
BCS賞(第10回 1969年)
URL
https://www.yasui-archi.co.jp/design-dialogue/design02/

リノベーションの手法・キーワード 等

壁面保存, 補強

 

備考

上記以外の掲載書誌:建築設計資料98用途変更(建築思想研究所・編)、耐震改修事例50(日経アーキテクチュア・編、日経BP社 2007年)、建築再生の進め方~ストック時代の建築学入門(松村秀一・編著、市ヶ谷出版社 2007年) 

 

 

記録作成者

氏名
桐原 武志
所属
Free/JIA再生部会