扇屋旅館

Before:扇屋旅館 → After:扇屋旅館

改修前の外観 /提供:SALHAUS

改修後の外観。左より、旅館入口、カフェ入口、中庭への通路/撮影:桐原武志 2024年

増改築を繰り返し複雑な外観が方形の庇で整えられた中庭。/撮影:矢野紀行 提供:SALHAUS

食堂と厨房をカフェに改修/撮影:矢野紀行 提供:SALHAUS

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駅前旅館の再生計画。閉ざされていた中庭を街に開き、旅館の持つ諸機能と雑多な建築群を再編。観光客と地域の人々の両方が集い、出会うことのできる場所に改修。全国どこの地方都市にもある駅前旅館の再生を通じ、地域の活性化に繋げる試みである。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称扇屋旅館扇屋旅館
Ogiya Ryokan
建築用途宿泊施設 旅館 住居施設, 宿泊施設 旅館
建築概要/
Renovation 概要

<SALHAUS Websiteより引用> 80年以上に渡り増改築を繰り返してきた駅前旅館の再生計画。敷地内にオーナー住宅を新築することを契機として、耐震補強を含む全面改修を行った。着目したのは既存の中庭である。通りに対して閉ざされていた中庭を減築によって街に開き、それを核として旅館と住宅の諸機能と、雑多な建築群を再編した。改修にあたっては既存部分と改修・新築部分を対比的に扱うのではなく、全体に緩やかな統一感を与えるよう心掛けた。新設した庇により中庭には明確な輪郭を与えたが、その他の部位は場所ごとに既存の状況を生かしながらデザインすることで新築では得られない多様性をもつ建築となった。中庭と諸室の間には庇とデッキで緩衝領域をつくり、さらにルーバー、建具等で相互の距離感を調整することで、多様な人々が居心地よく共存できる状態をつくり出した。また、既存樹木や庭石、建具等に一手間を加えて再利用し、長年親しまれてきた空気感を残すことにも留意した。新しい中庭は、この地を訪れる観光客、宿泊客にも、地域の人々にも開かれた新しい公共空間として生まれ変わった。全国どこの地方都市にもある駅前旅館という既存ストックの再生を、地域の活性化に繋げる試みである。

概要その他

設計者
SALHAUS
所在地
新潟県村上市田端町10-15
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改修年
2012年
建築規模
構造:木造、延床面積:1,117.40㎡(新築部分228.71㎡、改修部分888.69㎡
掲載書誌
新建築 2020年3月号、NIKKEI ARCHITECTURE 2013-2-10
賞・選定
北陸建築文化賞(2013年度)、JID賞ビエンナーレ大賞(2014)、東京建築賞 最優秀賞一般部門一類(2014)
URL
https://salhaus.com/ogiya-ryokan/

リノベーションの手法・キーワード 等

痕跡, 補強

 

 

 

記録作成者

氏名
桐原武志
所属
Free JIA再生部会