コンビニの入居時に当初の立体的な空間性や遵法性が失われていた。また、隣地を取得しても満足できない程に駐車場が不足していた。

築40年の店舗・事務所を、収益源の店舗を稼働させたまま、過去の改修で生じた違反の是正や煩雑化した区画の再構築を行い再生。
新築時は、吹抜けが1・2階を繋ぎ、塔屋からの光を1階まで届ける立体的な空間構成をしていた。後にコンビニを誘致するため1階の区画が変更され、吹抜けは1階の天井で塞がれ、遵法性や空間の連続性、機能的な動線が失われた状態だった。それに対し、被覆やブレースの無い純粋な鉄骨の架構を露わにすることで、吹抜けで立体的に繋がる空間から、フレーム間を視線が抜ける水平で広がりのある空間に再構成した。防火区画形成のための新設壁で塔屋からの光を受け止め、窓周りは風景を切り取るように納め、エントランスは円弧状の既存形態を参照した照明計画とするなど、諸問題を解決しながら、改修ならではの操作でさまざまな光を感じられる工夫を施した。
コンビニ誘致の際に取り残された1階の一部区画は、外壁を解体して事務所専用のガレージとした。