パラッツォ・オルシ-ニ(旧マルチェッロ劇場)

Before:マルチェッロ劇場(Teatro Marcello) → After:パラッツォ・オルシ-ニ

中世以降に居住空間が増築/柳沢伸也(2005年)

古代劇場の遺構と中世以降に増築された住宅が重層化する旧マルチェッロ劇場/柳沢伸也(2005年)

低層部の遺跡部分は公開/柳沢伸也(2005年)

遺跡の上に増築された住宅、現在も使用されている/柳沢伸也(2005年)

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旧マルチェッロ劇場は古代劇場の遺構と中世以降の居住空間が重層化した建築で、ローマの歴史と現代生活が共存するユニークな事例である。

リノベーション概要

Before

建築名称マルチェッロ劇場(Teatro Marcello)
建築用途集会施設 劇場
建築概要

アウグストゥスによって紀元前12年に完成された劇場。半円形の客席は直径約130m、収容人数は11,000~20,000人。高さ約32.6m、41のアーチを持つ。

After

建築名称パラッツォ・オルシ-ニ
Palazzo Orsini
建築用途 住居施設, 集会施設 集合住宅 会議場, その他
リノベーション概要

 マルチェッロ劇場は、紀元前12年に建てられた屋外型の古代劇場である。半円形の観客席は直径約130m、収容人数は11,000〜20,000人 。高さは約32.6m、41のアーチを重層するトラヴァーチン外装で、下部の列柱はドーリア式、中段はイオニア式、上部はコリント式と想定される。
 中世以降、城塞や居住空間として再利用された経緯がありながら、ファサードは良好に保存されている。ただ、ローマの都市づくりの過程で道路部分がかさ上げされ、劇場の1階部分は半分ほど土に埋もれた状態になっている。16世紀以降に、貴族オルシーニ家の住宅が頂部に増築され、以降も住宅として利用が継続されている。
 現在は、1,2階の下層部分が小規模なコンサートやイベント会場として使用されているものの、上層部の住居部分は非公開である。古代劇場の遺構と中世以降の居住空間が重層化した建築で、ローマの歴史と現代生活が共存するユニークな事例である。

設計者
所在地 Roma, Italy
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改修年 16世紀中頃,1926-32年,2020-21年
建築規模 組積造、高さ約32.6m、直径130m
賞・選定 イタリアの国家指定文化財(Beni Culturali)、 ローマ市の重要遺産エリア
主な関連法規、条例、助成金 等 PNRR
関連組織 等 ローマ市、Casa Litta – Palazzo Orsini
資料 等 https://holyseeembassy.orderofmalta.int/en/projects/casa-litta-palazzo-orsini/?utm_source=chatgpt.com
URL https://holyseeembassy.orderofmalta.int/en/projects/casa-litta-palazzo-orsini/?utm_source=chatgpt.com

リノベーションの手法・キーワード 等

文化遺産,外観保存,増築,用途変更,遺構

用途変更, 壁面保存, 増築, 遺構

 

備考

上層部はPalazzo Orsini(パラッツォ・オルシーニ)と呼ばれるオルシーニ家由来の住宅として分割され、現在も住居やオフィスとして使用されている。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会