オリベッティ・ショールーム

Before:店舗 → After:オリベッティ・ショールーム

歴史的な景観を保全した外観入口まわり/佐久間達也(2025年)

浮遊感のある大理石の階段/佐久間達也(2025年)

さまざまな石のテクスチャーを用いた通用口のデザイン/佐久間達也(2025年)

広場への連続性と開放感のある空間/佐久間達也(2025年)

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[No210]1957年、カルロ・スカルパによって設計されたオリベッティ社のショールーム。サンマルコ広場に面した歴史的な外観規制のもと、広場への連続性と開放性と兼ね備えた浮遊感のある内部空間を実現した。2011年にイタリア環境基金(FAI)によって、オリジナルに忠実に修復され、再び一般公開されている。

リノベーション概要

Before

建築名称店舗
建築用途 ショールーム
建築概要

After

建築名称オリベッティ・ショールーム
Negozio Olivetti
建築用途 展示施設 ショールーム
リノベーション概要

オリベッティ・ショールームは、1957–58年に建築家カルロ・スカルパによって設計された、ヴェネツィア近代建築の代表作である。サン・マルコ広場に面し、歴史的景観保全地区という厳格な外観規制の下で、精緻なディテールと多様な素材の組合せ(大理石、モザイクタイル、木材、真鍮、ガラスなど)によって、連続感と美的完成度を兼ね備えた空間が創出された。水平線と垂直線しか用いないデザインボキャブラリーを用い、表現豊かな接合部と、多様な素材のテクスチャーを表現している。床・壁・階段・什器が一体的に設計され、自然光や視線の流れを巧みに制御するディテールは、スカルパの設計手法を象徴している。

設計者 カルロ・スカルパ
所在地 Venezia, Italy
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改修年 1957-1958年
建築規模 2階
関連組織 等 イタリア環境基金(FAI),ジェネラリ保険会社(Generali Assicurazioni)
資料 等 https://www.archdaily.com/155074/ad-classics-olivetti-showroom-carlos-scarpa
URL https://www.museopertutti.org/en/musei/negozio-olivetti-eng/

リノベーションの手法・キーワード 等

外観保存,対比,伝統素材,技術継承,挿入

壁面保存, 挿入, 対比

 

備考

長らく閉鎖され、内装・設備の劣化が進行していたが、2011年に所有者であるジェネラリ保険会社(Assicurazioni Generali)が、Fondo Ambiente Italiano(FAI:イタリア環境基金)に修復と維持管理を委託。修復は、スカルパのオリジナルディテールを忠実に再現することを基本方針として行われた。この修復により、ショールームは再び一般公開され、観光客や建築関係者がスカルパのディテールと空間構成を体験できる貴重な場として復活した。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会