パガニーニ音楽堂

Before:the Eridania sugar refining factory → After:パガニーニ音楽堂

妻面の壁を取り払い透明感あるエントランスを設置/柳沢伸也(2005年)

新たに外壁内側には耐震壁、屋根は鉄骨トラスが付けられた/柳沢伸也(2005年)

周囲の樹木が見える透明感ある客席/柳沢伸也(2005年)

既存の旧製糖工場の建物を残しながら780席のコンサートホールに転用。長い側壁は残しつつ妻面はすべて透明なガラスに置き換え、公園の緑を借景とした透明感あるステージを形成している。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称the Eridania sugar refining factoryパガニーニ音楽堂
AUDITORIUM PAGANINI
建築用途生産施設 工場 集会施設 音楽ホール
建築概要/
Renovation 概要

1899年から1968年まで稼働したエリダニア製糖工場地区の建物のひとつ。旧市街地の周縁部に位置し、20世紀初頭の主要な工業地域のひとつだった。

荒廃した旧工場地区に、文化複合施設、商業施設、集合住宅等を設置し、隣接した中心市街地に不足する機能を補完し、市街地全体の環境向上に成功した事例である。その地区マスタープラン及び中心施設のパガニーニ音楽堂は、建築家レンゾ・ピアノが設計を行った。数ある工場建物群から、音響専門家の協力の下、音楽ホールに最適な建物を選定した。内部は座席数780席の音楽ホールの他、ホワイエ、更衣室、カフェ、オフィス、クローク、リハーサル室などから構成されている。既存建物の側壁を残し、屋根、床、建具などは新しく建設され、大幅な構造補強が行われた。
公園内という立地を生かして、妻側のエントランスとステージ側は全面ガラス張りとし、緑の中で演奏しているようなステージ演出が行われている。ステージ上部には木製の反響板を吊り下げられ、音楽ホールに適した音響を確保されている。壁はパルマのシンボルカラーである淡い黄色で統一され、銅板で葺かれた緑色の屋根がかかる。

概要その他

設計者
Renzo Piano
所在地
イタリア、パルマ
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改修年
2001
建築規模
780席
掲載書誌
『La fabrica della musica』Fulvio Irace, Gabriele Basilico
資料
『La fabrica della musica』Fulvio Irace, Gabriele Basilico
URL
https://www.teatroregioparma.it/en/auditorium-paganini-2/

リノベーションの手法・キーワード 等

借景

用途変更, 痕跡, 壁面保存, 減築, 対比, 補強

 

備考

音楽ホールは、第二次世界大戦で失ったパルマ市の旧パガニーニ劇場にちなんで、「パガニーニ音楽堂(Auditorium Paganini)」と命名された。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会