大手町ビル

Before:大手町ビルヂング → After:大手町ビル

リノベーション前の外観。柱梁のフレームを現しにしている/撮影:黒住直臣 2017年 提供:三菱地所設計

水平垂直のフレームで覆い統一感を持たせながら、接する通り別に埋め込む材料を違えている。/撮影:黒住直臣 2021年 提供:三菱地所設計

1F東西通路。天井照明を間接照明に変更したが、床面、壁面は在来の仕上げを活かしたデザインに/撮影:桐原武志 2023年

設備スペースであった屋上空間を、約4,000㎡の屋上庭園「大手町ビルスカイラボ」に/撮影:横山祥平 2022年 提供:三菱地所設計

[No203] 大きなオフィス空間のビルに建て替えられる市場傾向の中、東西に長い中廊下や20坪単位で仕切れる特性を活かし、スタートアップ企業が求めるオフィスへのリノベーション

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称大手町ビルヂング大手町ビル
Otemachi Building
建築用途事務所 オフィス 事務所 オフィス
建築概要/
Renovation 概要

1958年の竣工時は東洋一の規模を誇る、南北の長さ56m東西205mの長方形ビル。

<三菱地所設計提供> 1958年に竣工した「大手町ビル」は、地下鉄や都市インフラといった多様な側面からも、今日なお利便性の高い施設として使用されている。一般的に、大規模街区の築古ビルには、建て替えという大規模再開発手法が選択されることが多く、オフィス空間も柱がない大空間が求められるが、この大手町ビルは、低層で、柱が多く、長い廊下形式であるという状況を活かし、小割りオフィスへの需要が旺盛なスタートアップのテナント需要に応えるべく、既存活用の方針が取られることとなった。
外装は新設サッシと外壁パネルと一体化したフレームを外側より取り付けたあと、内側(テナント専有部)の既存サッシを入居テナント側のスケジュールに合わせて取り外す「居ながら改修」を実施した。長手200mものボリュームの柱・梁で構成された均質な外観に対し、建物が面する大名小路、日比谷通り、丸の内仲通りをイメージさせる素材とし、それぞれの通りごとに異なる風景の創出を試みた。
外装/共用部内装/地下店舗施設の増強/屋上活用を主眼とした長寿命化に際し、既存ストックの特性を価値へと転換、ハード・ソフトの両面からアップデートする計画である。

概要その他

設計者
三菱地所設計
所在地
東京都千代田区大手町1
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改修年
2020年 屋上改修2022年
建築規模
鉄筋コンクリート造、地下3階、地上9階、延べ床面積111,272.72㎡
掲載書誌
新建築:2021年3月号
賞・選定
・2021年度、2023年度グッドデザイン賞 ・2022年ランドスケープコンサルタンツ協会賞 設計部門 最優秀賞 ・日本建築家協会優秀建築100選
URL
https://www.mjd.co.jp/insights/52801/

リノベーションの手法・キーワード 等

 

 

 

記録作成者

氏名
桐原武志
所属
Free/JIA再生部会