1930年代に建設された塩の精製所。2010年に開催された冬季オリンピックの選手村に位置し、選手たちの社交の場、ホールとして使用されていた。

1930年代に建設された製塩工場。2010年に開催されたバンクーバー冬季オリンピックで一帯が選手村として使用されていたため、多目的ホールとして活用され、その後レストランに転用された。
内部の巨大な木造空間にビール樽専用室からビールを運ぶための配管が張り巡らされ、ダイナミックな空間を作り上げている。静かな空間が求められるレストランではなく、ビールが主体の賑わいが求められるレストラン空間に工場空間の力強さがマッチしている。工場の大空間にレストランとして必要なキッチンや倉庫等の施設を目立たないボックスとして挿入し、上部の中二階にも１階とは異なる空間を作り出している。テーブルを並べただけでは工場の大空間に負けてしまうため、中央には巨大な長円形のカウンターを配することで、大空間に負けないレストラン空間を作り出している。
かつては堅固で閉鎖的だった建物は、オリンピック施設として改修される際に南北の切妻壁が撤去され大金ガラス窓を設けることで、北側の広場とも一体となった開放的な建物となった。