オペラデルドゥオモ博物館

Before:Teatro degli Intrepidi、Opera del Duomo → After:オペラデルドゥオモ博物館

旧劇場を改修した3層吹き抜けの大展示室/柳沢伸也(2017年)

自然光の降り注ぐエントランスホール/柳沢伸也(2017年)

外観保存により小さなままの玄関(中央)/柳沢伸也(2017年)

既存の聖堂芸術博物館に、隣接する旧劇場を改修して増築した博物館。大聖堂の裏手に位置していることから、大聖堂の借景を利用した展示や展望室がつくられている。

リノベーション概要

BeforeAfter
建築名称Teatro degli Intrepidi、Opera del Duomoオペラデルドゥオモ博物館
Opera del Duomo Museum
建築用途集会施設, 展示施設 劇場 博物館 展示施設 博物館
建築概要/
Renovation 概要

1779年建設のイントレピディ劇場は20世紀に廃止された後、長く駐車場として使用されていた。1998年に大聖堂に買い取られ、倉庫と修復研究所に使われていた。

既存の聖堂芸術博物館に、隣接する旧劇場を改修して増築した博物館。アドルフォ・ナタリーニの設計により、2015年に竣工。かつての劇場の大空間は3層吹き抜けの大空間になっており、天井から降り注ぐ自然光により、大聖堂のファサードや洗礼堂の扉や彫刻が置かれた建築の劇場となっている。鐘楼や大聖堂自体が、度重なるリノベーションを経て形成されており、ファサードの歴史的な変遷などを3つの階に分けられた展示室で見ることができる。特に、ブルネレスキの設計による大聖堂のドーム(直径45m、高さ100m)の建築技術の展示は注目に値する。大聖堂の裏手にある博物館の配置を利用して、3階展示室のトップライトから、大聖堂の赤いドームが見えるように演出されている。

概要その他

設計者
Natalini Architetti e da Guicciardini & Magni Architetti/Adolfo Natalini
所在地
イタリア、フィレンツェ
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改修年
2015
資料
https://www.premio-architettura-toscana.it/author/natalini-architettitin-it/
URL
https://duomo.firenze.it/en/discover/opera-duomo-museum

リノベーションの手法・キーワード 等

借景

用途変更, 壁面保存, 増築, その他

 

備考

建物名称の「Opera del Duomo Museum」のOperaとは、「芸術」を指すと同時に「技術」を含んだ語であり、この博物館は大聖堂のリノベーションの歴史を芸術、技術の両方の視点から展示している。
Gae Aulenti、Vittorio Gregorottiなど著名建築家も参加した最初のコンペティション (2002)で は、スペインの建築家Santiago Calatravaが優勝したが、設計の遅延により、最終的に Adolfo Nataliniに委ねられた。

 

 

記録作成者

氏名
柳沢伸也
所属
JIA再生部会