コラム

column

文化庁の公式HPにリンクが貼られました
文化庁の公式HPに「建築リノベーションアーカイブ.com」のリンクが掲載されました!
https://www.bunka.go.jp/kindai/index.html これまで、文化庁のHPにリンクが張られているサイトは、
国立近現代建築資料館、全国近代化遺産活用連絡協議会、
東京文化財研究所の3つだけで、今回の追加で4つ目となります。
槇文彦さんメモリアルの会
当Websiteで紹介している「名古屋大学豊田講堂」と「ゐのはな記念講堂」を設計された槇文彦氏が6月6日に逝去されました。私が尊敬する建築家でした。
10月11日~13日に槇さんの代表作であるヒルサイドテラスで「槇文彦さんメモリアルの会」が開催されました。葬儀やお別れ会と異なり、個人が槇さんの遺影や動画と向き合い、お別れをする場でとても良い会場構成でした。私も献花とお別れをさせていた…
バランザーテの教会(1957,MILANO)
正式名称は「Chiesa Mater Misericordiae a Baranzate」。
この教会は、マンジャロッティが世にその名を知らしめたデビュー作である。
建物は半透明ガラスの白い壁、X字型の断面をした大きなPC梁、
そしてPC版の天井パネルで構成されている。
訪れた際には、午後の柔らかい光が白い壁を通して満ち、
天井…
地域で支え合う「聴竹居」
JIA再生部会の京都研修で訪れた聴竹居は、建築家の藤井厚二(1888~1938)が
大山崎町の約1万2千坪の土地に建てた自邸である。
彼のわずか49年の生涯において、全力で取り組んだこの住宅は、細部に至るまで工夫が凝らされている。
どの部屋にいても自然の風が心地よく吹き抜け、明るく快適な空間が広がる。
窓から望む風景は、京都郊外にいることを忘…
絵本『みんなのいえ』
著:たしろちさと、発行:文溪堂の絵本『みなのいえ』をご紹介します。 物語は吹雪の中をさまよっていた旅人が町の外れにあった廃墟にたどりついたところから始まります。旅人は崩れ落ちそうな家の補修をしながらその家に暮らし始め、その後やってきた旅人達も一緒に補修し暮らし始めます。まいにち まいにち すこしずつ みんなで なおした みんなのいえの絵本です。 著者の「たしろちさと」さんは「絵本『みんなのいえ…
物質に刻まれた痕跡を継承するデザイン
再利用しようと保管しておいた古い建具から、「7さい ようこ 1966」という文字を発見した。
建て主のご家族が子どもの頃に描いた文字である。身長を測って印を付けていたのだろう。
1966年とあるから、58年前の記録である。この痕跡を見つけた時、建て主の方は大喜びであった。
ごく普通の建具でも、思い出の詰まった建具は本人にとってはかけがえのない宝物だ。 2…
リノベーションで生き延びたパンテオン
そもそも、リノベーションは古くから行われてきた。
よく知られているローマのパンテオンも、その一例である。
パンテオンは、アグリッパによってローマの神殿を祀るため、約2000年前に建てられた。
しかし、ローマの神々が信仰されなくなった600年頃、
キリスト教の聖堂にリノベーションされ、破壊を免れた。
コンクリート造で堅固な構造とと…
「旧根岸競馬場」の保存活用はいかに?
根岸競馬場は1929年に建設され、我が国初の洋式競馬場として知られる。
この歴史的建造物は、建築家J.H.モーガンの設計によって建てられた。
戦後は連合軍に接収され、1982年に他の根岸公園部分と合わせて国へ返還され、
さらに1987年には横浜市の管理下へ移された。 ここに紹介する写真は、競馬場の1等観覧席を北西方向から撮影したものである。
「寄り添う」という形の保存活用:甚吉邸とW-ANNEX
隠れた宝石のように、大きな樹木に隠された建物がひっそりと佇む。
それは、登録有形文化財である旧渡辺甚吉邸に寄り添う、黒子のような存在の多目的スペース、W-ANNEXである。
このスペースは、ツバメアーキテクツと前田建設工業の設計により、
2022年に甚吉邸の隣に建設された。 甚吉邸は、1934年に遠藤健三、山本拙郎、そして彼らの恩師である今和次郎に
変わらぬ価値、変えない努力
ポーラ五反田ビルと聞いて、「ああ、あの建物か」と思い浮かべる人も多いだろう。
五反田駅から渋谷方面のJR山手線に乗っていると、
1階部分の建物裏側の昇り庭まで透けて見える建物である。
1971年竣工のその建物は、竣工当時そのままの姿を保つ。設計は、日建設計の林昌二。
透明感あふれる開放的ロビー空間は、オフィスビルの金字塔として今なお語り継がれ…
旧奈良監獄 試される創造力
2026年春、いよいよ、旧奈良監獄が高級リゾートホテルとして開業する。
1908(明治41年)に作られたレンガ造の建物は、築100年を超えてなお健在だ。
設計は、旧奈良監獄を含む明治5大監獄を設計した山下啓次郎。
2017年に監獄としての役割は終え、建物は重要文化財に指定された。
現在でも美しく重厚なイメージを残すロマネスク様式の赤レンガ建築…
2023年度日本建築学会大会(近畿)にて本アーカイブの紹介
先週行われた建築学会大会(京都)にて、「建築リノベーションアーカーブ.com」を紹介しました。
参加した歴史意匠データベース小委員会のパネルディスカッションは、建築家・増田友也設計による小林邸が会場でした。
近代建築と和風建築の融合を目指した増田友也の住宅は、リビングの飾り棚の背景は金箔張りで、とても写り映えが良く見えました。
会場には、京都に移転したばか…