コラム

column

美術館をワクチン接種会場とする発想
広いギャラリー空間で、ゆったりと現代絵画を鑑賞しながらワクチンの注射を打つ人たちがいる。
2021年4月、イタリア・トリノ近郊のリヴォリ現代美術館の3階ギャラリーでの光景だ。
リヴォリ現代美術館は、世界で初めてワクチン接種会場を設置した美術館である。
美術館をワクチンの接種会場に転用するという発想は、一体どこから生まれるのか。
非常事態に…
入居者に受け継がれる保存活用のDNA
清洲寮は入居希望者が多く、空き部屋がなかなか出ない築90年の民間賃貸集合住宅である。
設計・施工は大林組で、昭和8年(1933)に建てられた清洲橋通りのランドマークだ。
全66室の内、3分の2は若手で、スタートアップのアトリエや事務所に使用している人も多い。
同潤会アパートとほぼ同じ築年数だが、大切に維持管理されているため現在でも築90年にはとても見えない…
TOKYO BIKE TOKYOが示す「これからの店舗のカタチ」
自転車屋なのに、店内で最初に目に飛び込んで来たのは大階段と植物。
きれいな自転車がずらりと並んでいるかと思いきや、商品の自転車は大階段の裏に置かれ肩すかしを食った。
しかも、店員に最初に案内されたのは大階段で開催している自転車をテーマとした切り絵展の方だった。 tokyobikeの旗艦店「TOKYO BIKE TOKYO」は、1963年に竣工した倉庫を外観はそのままに…
隅田川沿いのカフェ&ベーカリー「iki Roastery & Eatery」
川に向かって大きなガラスの開口部が開かれ、天窓から気持ちの良い自然光が差し込む。
内装は既存建物のむき出しの木板を基調として、新らしく付け加えたものは、白とグレーで統一され清々しい。
カウンター上部には動物が描かれた大きなアートが掲げられ、室内空間に生命感を与えている。
隅田川沿いの倉庫をリノベーションした「iki Roastery & Eater…
高田馬場駅前の凄い耐震補強
外壁に××のブレースが取付けられ、美しくない耐震補強をよく見かけます。耐震補強をどのようにデザインするかもリノベーショ手法の一つです。そのような中、過剰とも思われる凄い耐震補強を見つけました。高田馬場駅前の稲門ビルです。ここまで行くと新しい壁面デザインで脱帽です。詳しく知りたいので、構造設計者をご存じの方は是非お知らせ下さい。 追伸:稲門ビルの耐震補強をした構造事務所は「MUSA研究所」であるメ…
歴史的建物「白浜ホテル」を使い続けるオーナー
「フランスで古い建物を大切に使い続ける精神を培ったので、築50年のこの建物を自分流にアレンジしながら使ってます」
フランスやアメリカで長い海外経験をしてきたオーナーの鈴木斎(いつき)さんは、1960年代に建てられた建物を自分流にリノベーションしながら大切に使い続けている。
母親が創業したホテルを2017年に継承した。エントランスホールを入ると、アンティークな家具や観葉植…
古民家活用のスターバックス 京都二寧坂ヤサカ茶屋店
京都の二寧坂にある古民家を保存活用したスターバックス。
小さな袖看板があるだけで、周囲の街並みにすっかり溶け込み、うっかりすると通り過ぎてしまいそうな外観である。
明治末から大正時代にかけて建てられた建物は、外観はそのままで内装の柱と梁を一部移設しただけでほぼ再利用である。
もともと二寧坂周辺は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されているため、外観の変更は…
旧大宜味村役場庁舎の保存活用
「何か良い活用方法はないでしょうか」
大宜味村教育委員会の森下愛子氏から、そんな質問を投げかけられた。
背後で新庁舎の建設作業の音が鳴り響く中、約100年前に建てられた小さな白い建物は、自らの運命の行方を待ってひっそりとたたずんでいる。  旧大宜味村役場庁舎は、戦争を経て残る現存最古の鉄筋コンクリート造建築物で、2017年に重要文化財の指定を受けた。
建…
Topページのスライドショー画像
Top画面のスライドショーの画像には建物名が表示されていませんが、あなたはいくつ分かりましたか?  答えは下記をご覧下さい。
スライドショーの画像は毎月4画像が更新されます。 1 2K 540 AKI-OKA ARTISAN/東京都台東区・・・JR秋葉原駅~御徒町駅高架下に誕生した商業施設 (撮影:桐原武志/2020年) 2 U2/広島県尾道市・・・海沿いの船荷倉庫をリノベーショ…
リノベーション設計の参考になる書籍
書名 編著者/出版社/発行年/定価 内容    No1 廃校施設活用事例集 文部科学省/2020年/Webにて公開 廃校を活用した30事例と廃校活用の手続きや補助制度などを解説している。下記WebsiteからPDFでダウンロード出来る。 https://www.mext.go.jp/content/20210310-mxt_sisetujo-000010166_02.pdf   …
ギャラリーに転用された下田の石蔵
なまこ壁と伊豆石による建物が多く残る下田の街並み。
大正4年竣工のこの石蔵は、地域資源として活用してほしいと市民から寄贈されたものである。
下田市は歴史的な建造物の保存・活用を目指したまちづくりの一環として、耐震改修を行い、ペリーロードを来遊する人々のために休憩・ギャラリー施設として開設している。
伊豆石は、凝灰岩系の柔らかく加工のしやすい石である。比重も…